笑いながら毒を盛る ([マンガ]藤子F大全集 ドラえもん1)

 1巻の厚さが電話帳なみにぶ厚かったので不安だったが一気に読めた。

 元々学年誌に連載された作品と言うことで、年代別かつ時系列順に読める構成はすばらしかった。
黎明期ということもあり、最初の何話かは試行錯誤感が強い。

 しかし、この1冊内で「ドラえもんは?」と言えば必ず出てくるエピソードが多数収録されている。
1970~74年の作品だけなのにまったく古びていない完成度。あらためて「簡略化」と「手抜き」の違いを思い知らされる。

 「未来の国からはるばると」とか、初期作品はもっとドラが不細工だと思ってたけどな。
記憶は劣化されるのかな?「石ころぼうし」みたいなメジャー作品が原稿紛失していたのにも驚き。
業界が『マンガ』を文化の域に高めるつもりがあるならば、原稿の保存はしっかり考えていただきたい。
ガッシュの作者がぶちキレたのもわかる。

(巻末の作品表を読み間違えてました。すみません。「石ころぼうし」はあるらしい。だが、コミックス初収録のものも含めていくらか紛失したものはあるらしい。雑誌などの印刷物も現存してなければ、闇に葬り去られていたわけだ。やはりガッシュの作者がぶちキレたのもわかる。)

 あらためて読むと白百合の君の話とロボ子さんは感慨深いものがあるな。
Fは未来に生きてるよ。しかも前者は相手が親父だぜ?どんだけ進んでるんだと。

 ばあちゃんの話は学生当時とは別な思いで読んだ。正直タイムマシンで昔戻って土下座したい…orz
でも昨今の小学館とテレビ朝日の変な持ち上げかたはちょっと違うと思った。

 「ほしいなぁ」とのび太が言ったプラモがC53で吹いた。
当時はSLブーム真っ只中だったようですが、ベタにD51にいかないのがのび太らしいのかF先生の趣味なのか。

 1度目の最終回は妙にリアルすぎて怖かった。
ネットでも半ばオカルト的な感じで語られてきたが、実際に読んでみると実に現実的な話だった。
「自分さえよければ」と言う考えで未来人が過去を観光地化して好き放題。最終的に法規制され過去への渡航は一切禁止。ドラえもんも未来に帰る羽目になるという内容。(「航時法」はまだ無かったらしい)
人間の本質はいつになっても変わらんのだな。過去未来含めて。

 逆に2回目の最終回はあたりさわりの無い感じ。これだったら普通に作品描いて、「今回でドラえもんは最終回です。ご愛読ありがとうございました。」の文章でも載せといたほうがいいくらい。とはいえ後のドラには珍しいギャグっぽさと、てんコミ6巻に載ってる公式な最終回のプロトタイプ的展開は興味深い。

 やはり藤子Fは笑いながら毒を盛るタイプだな。学年誌なのに「やろうぶっころしてやる!」とか、
パパの弟がローン苦で金の無心に来るとか、しずちゃんのビッチぶりとかひどすぎる。
こども向けだからとわざとレベルを下げなかったのが国民的作品になったゆえんだろう。
これは単純に絵柄や言い回しをまねたところでできるものではない。
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by nana75 | 2009-07-27 00:13 | OTAKU

暗黒都市Swendieに負けそうな日々の記録をつれづれと…アニメとイーグルスに逃避してorz


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